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庄屋屋敷(旧早川家住宅)※老朽化に伴う建物入館制限

老朽化に伴い、令和6年4月1日から建物内への入館制限が諫早市で決定されました。ただし、庄屋屋敷の庭園から外観の見学は可能となっております。

  • 開館時間:9:30~17:00(庭園のみ※建物内入館不可)
  • 入館料:無料(※干拓の里入園料は必要です)

諫早市指定有形文化財(建造物)平成5年7月23日指定

 この建物は、明治7年(1874年)諫早市赤崎町847番地に元諫早家家臣の木下助内氏が自邸として建設し、その後、長男の元衆議院議員木下吉之亟氏をはじめ、代々子孫が住まれていました。また、同氏の娘婿早川員氏が入居され第9代諫早市長を務められたため「市長邸」の愛称で親しまれていました。早川氏の娘婿荒木義人氏のご好意により諫早市に寄贈いただき、平成4年度に現在地に移築・復元したものです。創建年代は、解体時に二箇所の棟札に「明治7年/戌五月吉日/下井牟田本村/大工(荒木)磯吉作」と墨書があったことから確認されています。

 


建造物の概要

 木造二階建で、二階の大屋根は寄せ棟の茅葺を、その周囲にとりつく一階の下屋部分は䙁瓦葺きになっています。大屋根の小屋組は杈首組で伝統的な造り方をしています。外壁は真壁造で、上部の露出部を漆喰塗り仕上げとし、腰部は目板打ちつけの縦板張りになっています。
床面積は、一階が191.26平方メートル、二階が78.48平方メートルで、計269.74平方メートル(約82坪)と規模が大きく、また近世の武家住宅に特有な玄関である式台が構えてあり、違い棚・付書院・仏間を配した座敷の間、及びそれに付随した客用の便所があります。全般的に見ますと、農家系統の民家でありながら、格式を重んじる武家住宅に近い作りをしています。この意味で、明治期の建設ながら、建設様式は江戸期の上級農家・庄屋クラスの形態をよく伝えています。そして、この点は、類例が少ない長崎県下では、建築史的に大変貴重な存在と言えます。

平成5年12月1日 諫早市教育委員会

 

庄屋屋敷フォトギャラリー